「そろそろMリーグ開幕だよな」
そんなことを考えて調べてみたら――
もう開幕していました(笑)
Mリーグ2026-27シーズンは、2026年9月14日に開幕。
この記事を書いているのが9月15日なので、完全に一日出遅れました。
「自分も開幕日を忘れてた!」
という人、大丈夫です。
まだ始まったばかりです。
Mリーグ2026-27は10チーム、総勢40名のMリーガーが参加し、ABEMAでは全試合が生放送されます。今から見始めてもまったく遅くありません。
でも今回、Mリーグについて考えていて、ふと思ったことがあります。
麻雀って、ゲームそのものは昔からそれほど変わっていないのに、社会からの見られ方はものすごく変わったよな、と。
昭和の麻雀は「大人の世界」というイメージだった
もちろん時代によってルールや競技形式には変化があります。
赤ドラなど、現在では一般的になった要素もあります。
それでも、
牌を引く。
牌を切る。
役を作る。
相手の捨て牌を見る。
押すか、引くかを判断する。
という麻雀の基本的な面白さは大きく変わっていません。
ところが、麻雀を取り巻くイメージは大きく変わりました。
昔の麻雀と聞いて思い浮かべるのは、
「雀荘」
「タバコの煙」
「徹夜」
「サラリーマン」
「賭け事」
といった、かなり“大人の世界”ではないでしょうか。
少し乱暴な表現をすれば、
昭和の麻雀は「R18っぽい空気」のある娯楽だった。
※もちろん麻雀そのものを「R18」とする意味ではありません。あくまで当時の社会的イメージの話です。
子どもが堂々と楽しむものというより、大人になってから足を踏み入れる世界。
そんな印象が強かったように思います。
ところが今は「麻雀を見る」だけでも面白い
そこに大きな変化をもたらした存在の一つがMリーグです。
ユニフォームを着たプロ選手。
企業を母体としたチーム。
年間を通したリーグ戦。
実況。
解説。
選手インタビュー。
そして推しチーム、推し選手。
こうして並べると、かなりスポーツ観戦に近い仕組みです。
そして実際に見てみると、これが面白い。
麻雀のルールを完全に理解していなくても、
「この選手は攻めるなあ」
「この人、いつもギリギリまで押すよね」
「この人の麻雀なんか好きだな」
というところから入れます。
Mリーグは実況と解説もかなり重要
個人的にMリーグを面白くしていると思うのが、実況と解説です。
もちろん人によってスタイルは違います。
理論を細かく説明する人もいれば、かなりエンタメ寄りの人もいる。
大きな手が入りそうになれば実況が盛り上げ、
難しい選択になれば解説者が、
「ここは○○という考え方もあります」
と補足する。
麻雀には考える時間があります。
普通なら、その時間は映像としては地味になりかねません。
ところが実況や解説が入ることで、
「この選手は今、何を考えているのだろう?」
という時間に変わります。
これはかなり大きい。
麻雀そのものだけではなく、麻雀をどう見せるかまで含めてエンターテインメントになったのだと思います。
麻雀は打ち方に性格が出る
そして麻雀の面白いところが、同じ牌を使っているのに、人によって打ち方がかなり違うことです。
多少危険でも押す。
早めに守りに入る。
安くても速い手を作る。
時間がかかっても高い手を狙う。
鳴きを積極的に使う。
できるだけ門前で進める。
数字だけですべてが決まるゲームではありません。
確率や期待値を考えながらも、最後には人間が選択する。
だからこそ性格が見えてきます。
さらに面白いのが「その人なりの信念」
長く選手を見ていると、
「この人はこういう麻雀を打つ」
というイメージが少しずつできます。
単なる癖ではなく、
麻雀に対する考え方や信念のようなもの
が見えてくる選手もいます。
だからこそ面白いのが、
いつもと違うことをした瞬間です。
普段なら押す選手が降りる。
慎重な選手が突然勝負に出る。
いつもなら鳴かない形から鳴く。
すると見ている側も、
「なんで?」
となります。
手牌だけではなく、
点数状況なのか。
相手なのか。
チーム状況なのか。
本人に何か見えているのか。
普段の打ち方を知っているからこそ、いつもとの違い自体がドラマになる。
これは長期間選手を追いかけるリーグ戦ならではの面白さだと思います。
真面目に麻雀をやると、実はかなり大変
見ているだけだと忘れがちですが、麻雀を真面目に打つのはかなり大変です。
手牌を見る。
残り枚数を考える。
捨て牌を見る。
他家の鳴きを見る。
点数を見る。
順位を見る。
押すか引くか考える。
そのうえで実際の卓なら、
牌を取って、並べて、切る。
つまり、
頭を使いながら指先も動かし続けるゲームです。
しかも一局では終わりません。
長時間、判断精度を維持しなければならない。
Mリーガーを見ていると派手なアガリに目が行きますが、本当にすごいのは、こうした判断を何時間も積み重ねていることなのかもしれません。
そして現在では「健康麻雀」や認知機能の研究まである
昭和の麻雀のイメージから考えると、ここはかなり面白い変化です。
現在では、賭けない・飲まない・吸わないなどを掲げる「健康麻雀」という楽しみ方も広がっています。
さらに厚生労働省の軽度認知障害(MCI)に関する資料では、麻雀や囲碁などのボードゲームについて、先を読む認知処理や手先の細かな運動を伴うことから、認知機能の維持・改善が期待できると説明されています。
同資料では、軽度から中等度の認知機能障害がある高齢者を対象に、週2回・1回1時間・12週間麻雀を行った研究で、全般的認知機能や短期記憶の維持に効果が認められた研究も紹介されています。
もちろん、
「麻雀をすれば認知症が治る」
という話ではありません。
医療行為の代わりになるものでもありません。
それでも、
考える。
覚える。
指先を動かす。
人と会話する。
勝敗で感情が動く。
これだけの要素が一つのゲームに入っているのは、改めて考えると面白いものです。
ところが、街の雀荘は減っている
さらに興味深いのがここです。
Mリーグによって麻雀が明るいエンターテインメントとして見られるようになった一方で、昔ながらの雀荘は減少しています。
警察庁の統計では、まあじゃん営業の許可数は、
2021年末:7,312件
2022年末:7,061件
2023年末:6,734件
2024年末:6,513件
2025年末:6,351件
と減少しています。
2021年から2025年の4年間だけでも約13%の減少です。
つまり、
麻雀そのものの存在感と、昔ながらの雀荘の数は必ずしも同じ動きをしていない。
ここも今の麻雀を象徴しているように思います。
スマートフォンやネット麻雀で打つ。
Mリーグを見る。
友人同士で打つ。
健康麻雀を楽しむ。
プロ選手を応援する。
麻雀との関わり方そのものが多様化しているのでしょう。
麻雀が変わったのではなく、「麻雀の使われ方」が変わった
こうして考えてみると面白い。
麻雀というゲームの基本的な部分は、昔から大きく変わっていません。
それなのに、
昭和の「大人の遊び」
から、
競技麻雀。
プロスポーツ的なリーグ戦。
ネット麻雀。
観戦コンテンツ。
推し活。
健康麻雀。
高齢者の交流。
認知機能への刺激。
と、どんどん違う顔を持つようになりました。
だから、
麻雀が大きく変わったというより、時代によって人間が麻雀から違う価値を見つけてきた。
と考えた方が近いのかもしれません。
そしてMリーグ2026-27は、もう始まっています
……などと偉そうに書いていますが、
私は開幕日を忘れていました(笑)。
Mリーグ2026-27シーズンは、2026年9月14日に開幕済みです。
「そろそろ開幕かな?」
と思っていた人。
もう始まっています。
でも、まだ始まったばかり。
久しぶりにMリーグを見る人も、
最近麻雀に興味を持った人も、
ルールを全部理解していない人も、
まずは一試合見てみると面白いかもしれません。
牌だけを追わなくてもいい。
実況を聞く。
解説を聞く。
選手を見る。
好きな打ち方を探す。
応援したいチームを探す。
そしてしばらく見続けていると、
「あれ? この人、今日はいつもと違うな」
と思う瞬間が出てくる。
そこまで来ると、麻雀を見る楽しみ方がもう一段増えます。
麻雀は変わっていない。
変わったのは、私たちの麻雀の見方なのかもしれません。
※本記事の制度・統計・Mリーグ情報は2026年9月15日時点で確認しています。
参考資料
・一般社団法人Mリーグ機構「Mリーグ2026-27シーズン」関連公式発表
・警察庁「令和7年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について」
・厚生労働省「軽度認知障害(MCI)ハンドブック」
