「ChatGPTに条件を伝えれば、自分に合った商品を一発で探してくれる」
最初は、そんな使い方でも十分だと思っていました。
ところが実際に中古PCを本気で探してみると、まったく違いました。
検索して候補を見る。
「これは違う」と感じる。
なぜ違うのかを考える。
新しい条件を追加する。
もう一度検索する。
これを何度も繰り返した結果、最初には想像していなかったPCが最有力候補になりました。
一方で、調査が長くなりすぎてChatGPTのチャットを2本使い切り、引き継ぎでも失敗しました。
しかも2本目では、1本目のチャットをほぼ全文コピーしたテキストファイルまで渡したのに、うまく引き継がれませんでした。
今回はその実体験から分かった、
「AIで本当に欲しいものを探す方法」と「長期調査でやってはいけないこと」
をまとめます。
最初から「欲しいPCの条件」が決まっていたわけではない
今回のスタート地点はかなり単純でした。
今使っているPCの性能が低く、特にメモリ不足がつらい。
そこで、
「今より快適なPCをできるだけ安く買いたい」
というところから探し始めました。
最初から細かい条件が決まっていたわけではありません。
ところが検索結果を見ているうちに、自分が本当に欲しいものが少しずつ分かってきました。
検索するたびに条件が増えていった
最初に強く意識したのはメモリでした。
現在の使い方ではブラウザを大量に開きながら、ExcelやAI関連の作業を同時に行うことがあります。
そこで、
メモリ32GBは必須
という条件が確定しました。
次に候補を見ていると、小型PCもたくさん出てきます。
しかし今回は将来的にGPUを交換する可能性があります。
そこで、
「ミドルタワーと書いてあればいい」
ではなく、
実際のケースの大きさや内部スペース、GPUの取り付け余裕を見る
という条件に変わりました。
商品名より実物を重視するようになったわけです。
「性能が高いPC」ではなく「あとから変えられるPC」が欲しいと気付いた
さらに中古PCを見ているうちに、考え方そのものが変わりました。
最初から高性能GPUまで搭載されたPCを買う必要があるのか?
今の用途では、そこまでGPU性能は必要ありません。
一方で、将来ローカルAIを本格的に使いたくなれば、大容量VRAMを搭載したNVIDIA製GPUが欲しくなる可能性があります。
ならば、
今はCPU・メモリ・ケースを優先し、GPUは必要になった時に交換すればいい
という考え方になりました。
ここで検索対象がかなり変わりました。
中古PCの弱点は「あとから新品にすればいい」
中古PCには当然不安もあります。
特に電源ユニットなどは経年劣化が気になります。
最初は、
「中古は安いけれど故障が怖い」
という単純な見方をしていました。
しかし途中で、
安くて拡張性の高い中古PCを買って、不安な部品だけ新品に交換すればいいのでは?
という考えになりました。
これもかなり大きな変化でした。
新品PCと中古PCをそのまま比較するのではなく、
中古PCを「完成品」ではなく「拡張するための土台」として見る
ようになったからです。
ストレージ容量の優先順位も途中で下がった
PCを探す時、SSD容量は重要な比較項目になりやすいです。
しかし私はすでに外付け4TBのストレージを持っています。
それなら、
SSDが240GBしかないPCでも、今すぐ大きな問題にはならない。
容量が不足したら、その時にSSDを追加すればいい。
そう考えると、
SSD容量のために本体価格を上げる必要がない
ことに気付きました。
その分、
CPU
メモリ
ケース
電源交換のしやすさ
将来のGPU搭載余地
を優先できます。
これも最初の検索では入っていなかった条件です。
「中古なら個人売買が一番安い」は今回は除外した
中古PCを安く探せば、フリマサイトやオークションも当然出てきます。
ただし今回は、
個人売買を除外
しました。
多少高くても、
中古PCショップなどの業者販売
保証がある
初期不良時に対応してもらえる
という条件を優先しました。
安さだけを追いかける検索から、
多少価格が上がっても、失敗時に戻れる購入方法
へ変わっています。
メモリ価格を調べたことで評価が逆転した
さらに調査を続けていると、DDR4メモリの価格も無視できないことが分かりました。
最初は、
「16GBのPCを買って、あとから32GBにすればいい」
と簡単に考えていました。
しかし実際の価格を含めて計算すると、
本体価格+メモリ追加費用
で考えなければいけません。
すると、
最初から32GB搭載されている中古PCの価値がかなり高い
ことに気付きます。
CPUが少し新しい16GB機よりも、古くても32GB搭載済みの安いPCの方が、今回の用途には合っている場合があります。
スペック表だけを見ていたら気付かなかった部分です。
最終的に38,000円のPCが最有力候補になった
こうして条件を何度も更新していった結果、
約38,000円のmouse製中古PCが最有力候補になりました。
主な構成は、
Core i7-8700K
メモリ32GB
GeForce GTX 1070 Ti
SSD+HDD
大型G-Tune系ケース
というものです。
CPU世代だけ見れば、新しいPCではありません。
しかし今回の条件では、
32GB搭載済み
ケースが大きい
GPUを交換できそう
元々ある程度大きな電源を搭載している
ストレージ不足は外付け4TBで補える
価格が安い
という部分が強く評価されました。
最初の段階で、
「i7-8700Kの中古PCを探してください」
とChatGPTに頼むことは絶対にできませんでした。
なぜなら、
最初の自分自身が、そんなPCを欲しいと分かっていなかったからです。
ここが今回一番面白かったところです。
AI検索は「正解を探す」のではなく「条件を発見する」
今回の経験から感じたのは、
ChatGPTなどのAI検索は、
「条件を全部入力して、一発で最高の商品を探してもらう」
だけの使い方ではないということです。
むしろ、
検索結果を見ながら、自分の条件そのものを作っていく
使い方の方が強い。
流れとしては、
検索する
↓
候補を見る
↓
何か違うと感じる
↓
違う理由をAIと整理する
↓
条件を追加・削除する
↓
再検索する
↓
さらに条件が具体化する
という繰り返しです。
人間がAIに正解を教えるのではなく、
AIが出した候補を見ながら、人間側も「自分が本当に欲しいもの」を学習していく
感じです。
ただし問題発生。チャットを2本使い切った
ここまでは成功談です。
しかし今回、大きな失敗もしました。
調査を繰り返しすぎて、チャットが非常に長くなりました。
そして最終的に、
PC探しだけでChatGPTのチャットを2本使う
ことになりました。
商品を何度も検索したから長くなった面もあります。
ただし、それだけが原因ではありません。
1本目の全文を渡したのに、2本目でうまく引き継げなかった
1本目のチャットが長くなったため、2本目へ移動しました。
その時、
「前の内容を忘れられたら困る」
と思い、
1本目のチャット内容をほぼ全部コピーしてテキストファイルとして渡しました。
これなら引き継げると思いました。
しかし実際には、それでも不十分でした。
すでに前のチャットで決めていたはずの、
32GBは必須
個人売買は除外
外付け4TBを持っている
ケースは「ミドルタワー」という名称ではなく実寸・拡張性を見る
将来GPU交換を考える
今は高性能GPUを必要としていない
といった条件を、こちらから再度説明しないと検索結果に十分反映されないことがありました。
つまり、
「過去のログを渡した」=「過去の判断を完全に引き継いだ」ではありませんでした。
全文コピーにも弱点がある
考えてみれば、長いチャットにはいろいろな情報が混ざっています。
最初に考えていた条件
途中で変更した条件
一時的に検討した案
すでに却下した候補
最新の確定条件
検索途中の仮説
私からの修正
AI側の間違った推測
これらが全部同じテキストに入っています。
全文を渡されても、
どれが現在の正解なのか
をAI側が完璧に判断できるとは限りません。
むしろログが長くなるほど、
重要な条件が埋もれてしまう可能性があります。
一番良さそうなのは「引き継ぎ書」をAI自身に作らせること
今回の経験から考えると、長期調査ではチャット全文だけを引き継ぐより、
現在の状態だけをまとめた「引き継ぎ書」を作る
方がよさそうです。
しかも自分でまとめる必要はありません。
そのチャットの内容を一番把握しているのは、その時点のChatGPTです。
チャットを切り替える直前に、
「この調査を新しいチャットへ完全に引き継ぐための引き継ぎ書を作って」
と頼む。
内容としては、
目的
現在確定している必須条件
妥協可能な条件
除外条件
その条件になった理由
確認済みの事実
現在の有力候補
落とした候補と理由
まだ確認できていないこと
次にやるべきこと
などをまとめてもらいます。
そして新しいチャットでは、
全文ログは参考資料、引き継ぎ書を現在の正本
として渡す。
おそらくこの方法がかなり安定します。
ただし「いつ引き継ぎ書を作るか」が難しい
ここで新しい問題があります。
チャットがいつ限界に近づいているのか分かりにくい。
まだ続けられそうだと思って調査していると、いつの間にか非常に長くなっています。
だから、
「限界になったら引き継ぎ書を作ろう」
では遅い可能性があります。
これが今回感じた難しいところです。
今後は「途中セーブ」を作った方がよさそう
ゲームと同じで、長期調査も途中セーブしておいた方が安全だと思います。
例えば調査が大きく進んだタイミングで、
現在地まとめ
を作ってもらう。
具体的には、
条件が大きく変わった時
候補が3~5個程度に絞れた時
大きな方向転換をした時
検索回数がかなり増えた時
チャットが長くなってきたと感じた時
などです。
毎回全文をまとめ直す必要はありません。
数千文字程度で、
「現在何が確定しているか」
だけ保存しておけばいい。
もしそのチャットが突然使いにくくなっても、最新の途中セーブから再開できます。
「全文ログ+最新の引き継ぎ書」が今のところ一番安全そう
今回の失敗を踏まえると、私が次に同じような調査をするなら、
1. 普通にAIと検索を続ける
まずは条件を気にしすぎず、候補を見ながら考える。
2. 条件が大きく変わったら現在地をまとめてもらう
AI自身に、
「現在の確定条件と判断理由を整理して」
と頼む。
3. 長くなったら引き継ぎ書を作る
チャット終了直前まで待たない。
4. 新チャットでは引き継ぎ書を正本にする
全文ログは細かい経緯を確認するための補助資料にする。
5. 必要な時だけ全文ログを参照する
最初から巨大なログ全部を主要情報として扱わせない。
この方式が今のところ一番良さそうです。
AIに一発で探させようとしない方がいい
今回PC探しにかなり時間を使いました。
チャットも2本使いました。
効率が良かったかと言われると、改善できる部分はかなりあります。
それでも、
最初の1回だけ検索して決めるより、
最終的に自分の用途に合ったPCへかなり近づけました。
特に大きかったのは、
検索回数が増えたから良い商品が見つかっただけではない
ということです。
検索を繰り返したことで、
検索する条件そのものが変わった。
これが重要でした。
まとめ:AI検索で重要なのは「質問力」より「修正を続けること」かもしれない
AI活用ではよく、
「最初のプロンプトが重要」
「具体的な条件を書こう」
と言われます。
もちろんそれも重要です。
でも今回のように、
本人自身がまだ欲しいものを完全に理解していない
場合は、完璧なプロンプトを書くこと自体ができません。
そんな時は、
最初から完璧な質問を作ろうとするより、
AIに一度探してもらう。
結果を見る。
違和感を伝える。
条件を修正する。
もう一度探す。
この繰り返しの方が現実的です。
そして長期化するなら、
AIとの会話そのものにも「セーブデータ」が必要になる。
今回、
中古PC探し
↓
条件の発見
↓
候補の絞り込み
↓
チャットを使い切る
↓
全文コピーで引き継ぐ
↓
それでもうまく引き継げない
というところまで実際に経験しました。
失敗したからこそ、次はもっと効率よくできます。
今後は、
「検索を繰り返して条件を育てる」+「途中でAI自身に引き継ぎ書を作らせる」
この2つをセットで使ってみようと思います。
AIに一発で正解を出してもらうというより、
AIと一緒に正解の条件を作っていく。
今回のPC探しでは、それが一番大きな発見でした。
